この記事では、チームとしてのパフォーマンス向上を目指すために必要不可欠な「チームビルディング」について解説します。
また、チームビルディングにとても効果的な、ストレングスファインダーを活用したチームビルディング研修についてもご紹介します。
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この記事の目次
チームビルディングとは何か
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、企業や組織におけるチームメンバーの間でお互いの理解や信頼関係を深めることで、仕事を進めるうえでのシナジー発揮を通じてパフォーマンスを最大化し、イノベーションの創出を目指す、組織開発の取り組みの一つです。
チームメンバーが相互に協力しあい、より効果的に組織成長につながるチームを構築することを目指しています。
一般的にチームビルディングというと、期初やチーム結成時のイベントやオフサイトミーティングを指します。
しかし、これは狭義のチームビルディング(ここではチームビルディングイベントとします)であり、広義ではチームメンバー間の関係性を深めていく継続的な活動を指します。
チームビルディングの重要性
ではなぜ、いま特にチームビルディングが重要視されているのでしょうか。
そこには以下の3つの理由が挙げられます。
①イノベーションを創出する組織が求められているから
特に近年チームビルディングが重要視される理由は、どの組織においても「イノベーション創出」が課題となっているためです。
VUCAの時代、急速に変化するかつ未経験の課題に対応するためには、優秀な個人ではなくチームのシナジーによる知恵こそが求められています。チームとしての学習を生み出すために、チームメンバーが安全にトライアンドエラーができるための関係性をチーム内につくることがまず必要です。
②『結果の質』を高めるために『関係の質』を高めることが有効だから
元MIT教授ダニエルキム氏の提唱する「組織の成功循環モデル」では、結果の質を高めるためには、まず関係の質から高めることが重要だとしています。
完全な個人結果主義の組織を想像してみてください。メンバーは自分が評価されることを重視するため、他のメンバーに自分の知恵や経験をシェアすることはなく、他のメンバーが困っていても手を貸すことはありません。お互いに尊重したり称賛されることが無く、一緒に考えたいと思える安全な関係ではないからです。
組織パフォーマンスを高めるためには、一見遠回りのように見えますが、メンバーの関係性を作ることから始めることが大切なのです。
③1+1=∞となるためには「共有認知」の形成が必要だから
サッカーの試合ではドリブルしている選手が、相手の顔を見ずに出したパスをメンバーが受け取ってゴールする、というシーンがあります。いわゆる「阿吽の呼吸」と言われるような動きで、職場においてもお互いにフォローしあったり、間に落ちたボールを誰かが拾うような動きがチームパフォーマンスを高める連携行動です。
こうした動きは組織社会学では「共有認知」と呼ばれていて、お互いのメンバーの行動を観察し、予測することの積み重ねで形成されていきます。コミュニケーションの量を増やす上でも、最初のチームビルディングは重要な役割を果たします。
ちなみに、近年リモートワークが定着したことで、「対面でのワークショップは本当に必要でしょうか?」という質問をいただきます。
その答えは、「YES」です。なぜなら、共有認知は対面環境でしか形成されないとされているためです。チームビルディングイベントはもとより、職場でも共有認知を形成するための対面コミュニケーション機会を意図的に(ただ集まるだけではなく)設計することが、昨今では特に求められているのです。
チームビルディングに必要な要素
『The Culture Code-最強チームをつくる方法』の中で、著者のダニエル・コイル氏は強いチームの文化を醸成するためのカギとして
・安全な環境をつくる
・弱さを共有する
・共通の目標を持つ
の3つの要素が必要だとしています。
この3つを作り出すためには、日々のちょっとした言動の積み重ねが必要ですが、キックオフ時のチームビルディングイベントでは、以下の2つを重視すると良いでしょう。
①共通の目的・目標を確認する
「私たちチームは、誰にどのような価値を提供するのか、そのためにどのような存在でありたいのか」といった目的をまずメンバーで共有しましょう。そして、目的を実現するための具体的な目標として、プロジェクト終了時までに定性・定量でどのような成果を目指すのかを共有し、全員の納得がいく物を一緒に作り上げます。
②Know HowではなくKnow Whoを共有する
既述の「共有認知」を形成するためには、メンバーの言動を支える思考・感情・価値観・経験の共有が必要です。イベント終了時に「お互いの強みは何で、誰が何を知っていて、誰に聞けば良いかわかる」状態を作ることが、オンボーディングにも有効とされています。この対話の中で、実はこんなことが苦手です、ということを話し合うことで、弱さを共有することへの抵抗を下げ、土壌を作ることもできます。
チームビルディングイベントの種類
チームビルディングイベントは、さまざまな方法があります。
組織の課題やメンバー構成などを鑑みて、段階的に自分たちに合った方法で実施することで、チームワーク向上やモチベーション向上といった効果がより一層高まります。
①アウトドア型
野外での活動を通じてチーム内の信頼関係を深めることを目的とする方法です。例えば、キャンプや登山、スポーツ大会などが挙げられ、普段の業務では見られない姿を発見しあったり、お互いの協力が必要なシーンを通じて、協調性を高めていくことができます。
②室内ゲーム型
オフィスやホテルの室内で行われる活動を通じて、コミュニケーションや協調性を高めることを目的とする方法です。例えば、ロールプレイやカードゲーム、謎解きゲームなどが挙げられ、チームメンバーが共通の目的を持ち、連携しあってクリアを目指すことで、お互いの考え方の理解や信頼関係の深耕につなげていくことができます。
③研修型
講義やワークショップなどを通じて、チームメンバーが新しい知識やスキルを学ぶことを目的とする方法です。例えば、コミュニケーションのスキルアップやリーダーシップのトレーニングなどが挙げられます。
チームビルディングに関する誤解
誤解されやすい点としては「チームビルディングイベントは1回実施すればチームビルディングは完成する」「みんなでわいわい集まって飲み会をすることでチームビルディングになる」といった考えがあることと言えるでしょう。
しかしながら単発のイベントだけでは、メンバーの信頼関係を構築することはできません。また、ただ楽しいだけでも効果はありません。お互いの考えや価値観を理解するために、単発のイベントに終わらせず、設計された継続した活動が必要です。
そのためには、チームビルディングイベント(キックオフイベント)の体験や感情を、職場でも継続的に思い出したり実践できるような仕掛けや工夫がとても重要となります。
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)を活用したチームビルディングワークショップ
ストレングスファインダーとは
ストレングスファインダーとは、世論調査のグローバル企業である米国Gallup社が開発した、個人のつよみの源泉を発見し、そのつよみをチームとして「貸し借り」しあうことでパフォーマンス向上を目指していくことができるアセスメントツールです。
合計177個の質問に回答することで、その人の「つよみ」になりうる最も優れた潜在能力の源泉が、全部で34個の資質に分けられ上位からランキングとして表示されます。※プランによってはTOP5まで
ストレングスファインダーは、従来の「出来ていない部分を埋める課題解決型」のアプローチではなく、個人が自分のつよみに着目することで、さらにその能力を引き上げ、そして自身の成長に繋げていく、ポジティブアプローチに分類されます。
ストレングスファインダーをチームビルディングに活用するメリット
ストレングスファインダーの診断結果で分かった資質(=つよみ)をベースにチームビルディングを実施することで、他のどのようなツールよりも効率的かつ効果的なチームビルディングが可能になります。
①Know Whoを実現できる
ストレングスファインダーでは、メンバーの得意領域や思考のクセ、またそのさらに深い部分となる価値観までを、資質という共通言語を使うことにより簡単に理解しあうことができます。
人の価値観は自分自身でも気づいていないことが多いため、共有することが大事だとわかっていても、なかなか言葉にすることが難しいものです。ストレングスファインダーを使うことで、お互いの深い価値観も短時間でライトに話すことができるようになります。
②お互いの強みを知ることでとにかく気持ちがアガる
ストレングスファインダーはつよみにフォーカスしているため、お互いのエピソードをシェアする中で「なんでそんなことができるの?すごい!」という賞賛が飛び交います。
短時間でお互いにポジティブシャワーを浴びることで、自己効力感が高まり、チームとしてのポジティブな空気があっという間に出来上がります。
③弱みも小出しにしながらお互いの強みの貸し借りを実現できる
ストレングスファインダーは人が持つ才能であり、上手に使えば強みになりますが、もったいない使い方をすると弱みにもなり得る、いわば強みの源泉です。
人は自分の強みの話を人に聞いてもらったり承認してもらうと、「でもこんなところが苦手なんだよね」と自分から弱みを話すことができます。
しかしそんな弱みも、お互いの強みを貸し借りすることによってチーム全体でカバーするための具体的な行動につなげることで、シナジーを生むチームを作ることができます。
④チームメンバーのマネジメントにも活かすことができる
マネジャーとしても自分の上位資質を活かしたマネジメントを意識的に行うことができるようになります。また、メンバーの特性に合わせたコミュニケーションをはかり、メンバーそれぞれのつよみに合わせた経験をデザインすることが可能です。
⑤職場で共通言語として使いたくなる
これまで記載したように、単にお互いの価値観を知るだけでなく、お互いの強みを認め合うことを通じて、それぞれにとってとても嬉しい体験となり、「またやりたい!このメンバーと何か一緒にしたい!」という気持ちにつながっていきます。
また、お互いに称賛・承認する体験をワークショップの中ですることで、職場の称賛・承認文化にもつながっていきます。
ストレングスファインダーを活用したチームビルディングワークショップの成功ポイント
ストレングスファインダーをチーム全員で受けただけでは、非常にもったいない使い方になってしまいます。
以下のポイントを抑えてチームビルディングワークショップに活かしていきましょう。
①<個人を知る>メンバー1人1人を知る
ストレングスファインダーがどのようなツールかを正しく理解したうえで、お互いの上位資質を活かせていた過去の体験について対話をします。その際の聴き手は、相手の中の宝物を一緒に探すような気持ちで、いろいろな角度から質問をしたり、称賛の言葉を伝えます。
②<チームを知る>チームの強みと落とし穴を知る
チーム全員の資質を一覧にし、チーム全体の強みと同時に、コンフリクトを起こしやすい点や抜け漏れてしまう可能性のある視点を確認します。チームの落とし穴の可能性を、あくまで「人」ではなく「資質」を通して理解することで、チーム全体での対話につなげます。
③<目指す先を共有する>チーム目的を確認する
改めて私たちのチームの目的や目標を共有します。
④<チームをつくる>お互いの役割とギフト&サポートを話し合う
業務上の役割だけでなく、お互いの関係性を高めるための役割について話し合います。その際、ギフト=チームの目的実現に向けて自分の強みを活かせることと、サポート=自分の強みを最大限生かすうえで周囲にサポートしてほしいことについて共有します。
以上の4つが、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングワークショップの成功ポイントです。
くれぐれも、全員の資質の一覧を眺めながら、机上で「あの人この役割、この人にはあれをやらせよう」というような決めつけや配置には使わないようにしてください。
ストレングスファインダーを活用したチームビルディングワークショップ参加者の声
スパークルチームではさまざまな企業・組織のチームビルディングを支援をしていますが、上記のポイントを踏まえてストレングスファインダーを活用したワークショップを実施した結果、数か月後の参加者様からは以下のような声が聞こえてきました。
仕事上で付き合いづらい人がいるなと思っていたが、お互いの資質がぶつかり合っていることが判明した。これも相手の良さであると受け入れられるようになった。
◯◯さんのあの資質が発揮されているな!と感じるようになり、その良さをチームの活動の中で活かせるようにしたいと考えるようになった。
相手の資質を理解しながら関わることで、コミュニケーションが楽になった。今まで自分が苦手なことを誰かに依頼することは気が引けていたが、「相手の資質が生かせそう」なことであれば依頼のハードルが下がった。
話しているときに、「あ、聞いてる人は自分の連想についてきてないな」と敏感に感じるようになった。また、自分自身に客観性を持たせることができるようになり、ストレスやメンタルバランスが安定したような気がする。
チームビルディングを行うことで、「チームの一員」であることを感じることができるようになり、モチベーションなどの従業員エンゲージメントが向上するため、社員が活き活きと働く職場づくりとしても非常に有効です。
また、昨今の組織開発においてキーワードとなっている、「心理的安全性の醸成」「キャリア自律」などにも寄与します。
メンバー同士がマッシュアップできる状態を作り上げることで、チームの成果発揮や一人ひとりの自律的な姿勢構築にも繋げていくことができます。
ぜひお互いの価値観を承認し合うことで、ワクワクするチーム作りを目指しましょう!
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ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやキャリア開発など、
各種ワークショップ・研修の事例集を公開しています。
ぜひご活用ください!
スパークルチームでは、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングワークショップを提供しています。
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