Author:
楠麻衣香(スパークルチーム代表)
強みにフォーカスってことは、苦手なことはやらなくていい!?
よく、強みというと”しかめっつら”をする人がいます。
「好きなことばっかりやらせていたらだめだよ」みたいな。
ストレングスファインダーでいう「強みを磨こう」というのは、好きで得意なことだけやってればいいよ、というものではありません。
むしろその逆。
米国ギャラップのトップコンサルタントも、弱みは避けるものではなくManage(うまくつきあう)するものだ、と言っています。
まだまだ才能が未熟なうち(特に若い人)は、苦手なことや理不尽なことにどんどん挑戦したり、あまり得意じゃないなーという人と接点を持ったり、スキルを磨くことで自分のキャパシティが増え、才能が強みへと変わっていきます。
20代の頃のわたしは、戦略性なんて名前とはかけ離れた超感覚人間で、まったくロジカルでもなければ、着想や活発性とくっつくとすぐ思い付きで行動するので周りからは雑な人と思われていたと思います。(※実は戦略性は直感資質といわれています)
話も長いし、感情的だし、よく泣くし、ビジネスコミュニケーションはめちゃくちゃヘタっぴでした。「論理思考が弱い」と言われると、とても苦手意識が強く、自分は感覚人間だし、と決めつけて論理思考からは逃げていました。
今でこそ、研修や人前で話すと論理的でわかりやすいと言っていただきますが、昔は本当にひどかったんです・・・(´・ω・`)
しかし、あるきっかけでロジカルコミュニケーションを学んでトレーニングするようになりました。
「結論はコレ、理由は3つ」と言ってから話し始めるようにしました。最初はかなり苦戦しましたが、1年くらいたつとだいぶ物事を整理してわかりやすく話すことができるようになりました。今は複雑な議題でも、その場である程度整理をして伝えることができるようになったと思います。
今思えば、ロジカルコミュニケーションを学んだことで、戦略性とコミュニケーションの資質が鍛えられて強みづかいになりました。
戦略性は直感的に全体の構造を見ることができますが、当時の私はそれを整理立てて周囲に伝える術を持っていなかったので、周りからは突拍子もなくて何を言っているのかよくわからない、と思われていたんですね。そこにロジカルコミュニケーションという武器を得たことで、2つの資質が強み使いへと変わったわけです。
そもそもロジカルコミュニケーションを学ぼうと思ったのは、前職で営業をしていた際、短時間で商品説明やプレゼンをすることが本当に苦手だったからです。
当時、私は本当に営業が苦手で嫌いでした(笑)。
親密性の資質も上位にあるので、初めて人に会うことも得意じゃないし、ましてや短時間で相手に何かを伝えたりゼロから信頼を築くということがすごく嫌でした。
しばらく営業なんてヤダ!と駄々をこねていたのですが(笑)、とうとう社内から信頼を失い、もうこれは成果を出さないといよいよダメだ、と腹をくくったときにロジカルコミュニケーションと出会ったのでした(とてもお恥ずかしい話ですが)。
苦手なことでも成果を出そうと挑戦してみる。
すると自分の中の資質を思い切り使うことになり、結果的に強みがぐーーーんと開発されるのです。
ストレングスファインダーは採用につかっちゃダメ
ストレングスファインダーを採用に使いたい、または実際に使っている、という企業の話を耳にするのですが、これは絶対にNGです。
採用や配属に使ってはいけません。
なぜなら、
・資質に良い悪いは無く、また特定の資質を持っているからといって求められる成果が出せるとは限らない
・一定の成果を出すために上位資質をどう使うかを考えるツールであり、特定の資質を持っていないからといって成果が出せないということは無い
・通常上位10~15個くらいの資質を使っているため、トップ5だけでは判断ができない
・上位資質は環境やポジションによって変わり得る
といった理由からです。
つまりストレングスファインダーは、HowのツールであってWhatのツールではありません。「人材開発のためのツールであって、評価や採用のツールではない」ということをぜひご理解ください。