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東京ガス様 エネルギーソリューション本部産業エネルギー事業部 小林和彦さん

【前編】強みを思い切り活かしたメンバー時代、自分に課した3つの約束

強みを活かしたマネジメントを実践されているリーダーのみなさんの声をお届けするSparkle Learder’s Voice。今回は、東京ガスの小林和彦さんにインタビューの機会をいただきました。小林さんは現在、同社の法人を対象としたガス事業の神奈川エリアの営業所を統括されていらっしゃいます。本日の後見人はスパークルチームのぬまっちこと、飯沼美絵です。 想定以上に話が大盛り上がり!ということで、今回はインタビュー前編「強みを思い切り活かしたメンバー時代、自分に課した3つの約束編」をお届けします。

まいP

ストレングスフリークな小林さんへのインタビュー!話が尽きることがなさそうです!

本日のスピーカー

小林さん

東京ガス(株)エネルギーソリューション本部 産業エネルギー事業部 神奈川産業エネルギー部長

小林和彦さん

【ストレングスファインダーTOP10】

個別化達成欲アレンジコミュニケーション着想成長促進責任感ポジティブ運命思考学習欲

きっと5歳の頃にストレングスファインダーを受けても同じだったんじゃないかなぁ

まいP

ストレングスファインダーを受けてみて、最初はどんな印象でしたか?

小林さん

ストレングスファインダーに出会ったときは、衝撃的でしたね。俺の人生、これで全て説明が付くぞ!と。最初のワークショップに出るとエピソードはありますか?って聞かれますよね。いくらでも出るんですね。

まいP

じゃぁ、早速エピソードを聞かせていただいてもいいですか?(笑)

小林さん

私はもともと学生時代、高級中華料理屋でバイトしていたのですが、よくお客様に「オススメは?」って聞かれたんです。 最初はよくわからなくて「エビチリです」とだけ答えてたのですが、そのうち「何かお好みは?」って聞いてやりとりをするようになった。

小林さん

例えばエビは好きだけど辛いのは苦手、というお客様のオーダーにお答えしたくて厨房のコックさんに「こういうエビチリを作ってください」と。すごく嫌がられました(笑)。でも自分でも勉強して、こうやったら作れるんじゃないかと研究して、自分でも試して作るようになって、そうしたら厨房の人たちにも「おまえよく勉強してるなー」って認めてもらえるようになったんです。

小林さん

自分の仕事の原点はこのバイトだなと思っています。エンドユーザーと会話してモノを作る。

着想×達成欲で自分であれこれ思いついてやりたい!っていう欲が出てくる、学習欲でもどんどん新しいことを取り入れたくなる。責任感で相手のご要望に応えたい!そんな自分にぴったりだと、東京ガスのエンジニア職を先輩が紹介してくれてトントン拍子に入社したんです。 きっと、ストレングスは5歳の頃にうけてもこの結果が出たんじゃないかと思うんですよね(笑)。

まいP

本当に昔からご自分の資質を存分に発揮されていたんですね。

強みを活かしていたら!?うっかり省エネ大賞に選ばれちゃった

まいP

今思えばメンバー時代に資質を強みとして使っていたなと思うことはありますか?

小林さん

自分の資質がどう動いたかを見ると、ある2016年の仕事に集約されてますね。 当時、某自動車会社様を担当していたのですが、エネルギーコストの低減を求められていました。他方で、工場から出る大量の熱をどう処理活用するかも課題になっていました。 当時は震災後で、非常時の電源確保もお客様にとって重要な課題になっており、難題を突きつけられていました。 ん?そういえば、お隣に某食用油会社さんの工場があったなと。あそこなら食用油を作るために大量の蒸気(熱)が必要なはずで、蒸気配管 を通せばどっちのお客さんにもメリットになるんじゃないか・・・ ところが、 両社の間には産業道路上には首都高。こんなとこに蒸気配管つなげていいのか・・・でもこれ 実現したらすごい面白いプロジェクトになるなーっ!っ着想してしまったんですね!

まいP

チャクってしまったんですね(笑)

小林さん

そう、 決めたらやらなきゃ気が済まない! とりあえずやりましょうよと。エンジニアに話をもって行ったら「おまえアホか!」と。「やってみないとわからないじゃないですか」という押し問答(笑)。学生時代の中華料理屋の時と同じで「でもこうしたらできますよね」って提案 しまくりました。 あとは大体、エンジニアさんごとの得意分野もわかっていたので、「この人なら良いアドバイスくれるな」と社内を走り回りました。 結局2年がかりで実現して、なんと経産省の省エネ大賞の事例部門というのに選ばれちゃいまして。これは結構嬉しかったですね。画期的な冷蔵庫とか開発しないとしかもらえない賞だと思ってたんですけど。

まいP

上位資質フル活用ですね?

小林さん

そうそう。両社さんへの働きかけもそうですが、行政とも交渉・調整が必要だったので走り回りましたね。そのあたりはアレンジ×コミュニケーションフル活用だったと思います。 あとは「できるに決まってます!」と言い切る!ポジティブですかね。

まいP

すごい!そもそもなぜそこまでしてそのプロジェクトをやろうと思ったのですか?

小林さん

日本でやっているというのを聞いたことが無かったんですね。某自動車会社さんからとにかくエネルギーコストを安く・・と言われるだけもシャクだな、でもどうしたらそのご要望に答えられるかなと。で、某食用油会社さんは別部隊が別の設備を提案していると聞いたので、自動車会社さんから出てくる熱量を飲み込めるだけの施設かなぁとエンジニアに聞いてみたら「ぴったりっす!」と。私の9番目運命思考が、誰かが与えてくれた試練だろうと、つなげないわけにはいかないなぁと。

まいP

いやぁ、普通はそこで道路またいでまでつなげようとは思わずあきらめてしまいそう(笑)

小林さん

そうでしょうね。会社人生史に残りうる仕事になるなあ、しめしめ!って思いました。おもしろかったですねー。

まいP

心折れることはなかったですか?

小林さん

いやぁ、折れましたよ(笑)。パソコンであれこれシミュレーションして、するとコストが1億単位で変わるんですよ。でも心が折れかけては発見があり、考え抜くと解決策は必ずやってくる。寝れない日はありましたけど、寝れないのも嫌いじゃなかったですね。

先輩に恵まれた・・・でも資質が暴走して「やっちまった」ことも

まいP

「考え抜けば解決策が必ずくる!」という経験がそれまでにおありだったんですね。

小林さん

ガス燃焼のエンジニア時代、ベテランの先輩たちに「終わらない現場はない!」という言葉をよく聞いたんですね。その言葉はいまでもどこかしら残っていると思います。やり続ければ、活路はある、と。

まいP

技術者魂を感じますね。

小林さん

そう、解決したときの感動は癖になるんです。 先輩といえば・・・。私、コミュニケーション上位なので、愚痴もきれいに言えちゃうんですね。笑 2005年のこと、あるすごく親切な先輩がいて、いつも飲み屋で自分の愚痴を聞いてくれていたんです。ところがある日突然、「ドン!」とビールジョッキをテーブルに置いて、「おめえはどうしたいんだよ、グチグチグチグチ!」と突然怒られたんです。ショックでしたね。そのときまで、全然自分がどうしたいか考えてなかったなあ、と。 人生の転換期でした。 そこから同期と「ブウタレ会」を作って飲みながらブウタレるんですが、残り30分で「じゃ、俺たちどうしようか」って。そうすると何も言えることがなくて、「ブウタレんのもらくじゃねえな」って帰るんです。(笑)

まいP

その転換しちゃう小林さんの精神力は本当にすごいです(笑)。素敵な同期、先輩にも恵まれてらっしゃるんですね。

小林さん

はい、でもついやっちまうこともあって。今では気をつけていますが、上司通さずによかれと思ってさらに上の方にぶち込んでよく怒られました。その上の方からも、「おまえ上司通して言えよ」と怒られて。一緒にやろうと言ったメンバーも怒られた体になってしまうとわかって・・・本当にすまないなと思いましたね、そのときは。思いつくと言いたくなっちゃう、早く誰かに伝えたい!って。 飲み会でエライ方と会ったときに、その方のお話が自分がその時温めていたことが合致して「それ自分も考えていました!」と、酔った勢いで調子に乗って話しちゃったんですよね。 そうしたら翌朝上司から、「おまえ、こんなこと言ったんだってな」と。なぜかバレているんですね(笑)。で上司が、「おまえは、モノゴトを温めるってことをしらんのか?!口ぱしって断られたらせっかくのアイディアが終わるだろう!」と諫められました。上司とうまくいっていないわけではないのに、信頼関係を崩しかねないんだなと、そこで学んだんです。それからは気をつけていますね。 信頼を作ってうまくいかせるという仕事のスタンスなのに、着想×コミュニケーションでスパンと行動しちゃうのは悪く出ちゃうので。。

修羅場体験から自分に約束した3つのこと

小林さん

そうそう、今の自分になるにあたって、自分に約束したことがあるんですよ。

まいP

約束したこと、ですか?

小林さん

はい、10年前くらいのことなんですけど、マネジメントの直前くらいでした。某自動車会社様のPJを進めるため関連会社に5年間出向していたのですが、仕事が厳くて有名で不夜城と呼ばれていた、当時200人くらいの会社でした。 今までよりもはるかに自分でどうにかしなければいけない仕事が増えたんです。それで、精神的につぶれかけたんですけど、そのときにようやくこれまで人に助けられてやってきたんだなと気がついて。 そういえば中華料理のバイト時代もコックさんがいてニーズを聞いて作ってくれたからお客様を喜ばせられたんじゃん、と一度原点に戻って、自分の信念から掘り下げていって3つの必ず守るルールを決めたんです。

まいP

3つ、なんですか!?

小林さん

①事務所を絶対走らない

②話かけられたら必ず手を止めて必ずその人の方を向く

③一会話一笑い

まいP

んん?どういうことですか?

小林さん

職場でバタバタしてうるさいと余裕なさそうだなと思われて、部下は話しかけてこなくなりますよね。そうすると部下と距離ができてしまう。だからどんなに焦っていても悠然と歩くんです。・・・本当はコピー機の紙を走って早くとりたいんですけどね(笑)。

小林さん

あと、相手が自分のことを向かずに話を聞かれたのは意外と嫌だったんで、ちゃんと向き合おうと。「今良いですか?」「うん何?」「この件なんですけど・・・」「あ、その件ならあと〇分後でいいかな」というたかだか15秒くらいのやりとりをするだけけで、関係が断絶しないで広がる。 3つ目は一歩進めるような話題付け、これはポジティブですかね。「また小林さんそんなこと言ってー」「まあいいじゃんー」1会話に1つ笑いを入れるぞ、って思っていると普段からネタのストック溜まってくるんですよ(笑)

まいP

これいつ言おうかな、みたいな?

小林さん

そうそう、「それ、この間言ったじゃないですか!」なんてやりとりもあったりして。 この5年の出向時代で、人の助け無しにはたどり着けないって本当に実感したんです。あのときは自分で全部やらなきゃいけないと思い込んでいたんですね。 エンジニアと「なんでできねぇんだ」っていうやりとりの戦いは何も生まないなあと。それより「なんでできないんですかね、何か心配ごとあります?」みたいなところから始まると、全然コミュニケーションが変わってくるんでね。 身勝手なところから、助けがあるからできあがる、と立ち返れた2010年くらいの良い経験です。

本当に屈託のない笑顔で武勇伝を次々つを語ってくださる小林さん。後編は、現在のマネジメントのお話について伺います。