お役立ち資料

お問い合わせ

 
チーム
株式会社ディー・エヌ・エー 様

「社員が夢中で働く環境づくり」を目指し、社員が垣根を越えて成長しあう、全社共通の学び場をつくる

全国のつよみを活かした素敵なチーム・職場を突撃インタビューするスパークルチームインタビュー。

第7回目となる今回は、株式会社ディー・エヌ・エー様(以下、「DeNA」)にインタビューしました。

DeNAでは、同社が掲げるMission・Vision・Valueを体現するための人材育成・人材開発に向けた取り組みとして、社員の成長を促す全社横断での学びの場として「ラーニングカフェ」を2022年に実施しています。

本インタビューでは、この「ラーニングカフェ」の仕掛け人であるヒューマンリソース本部の坂本 宇さんと、「ラーニングカフェ」のコンテンツの一つとしてスパークルチームが提供したストレングスファインダーセミナーへの参加をきっかけに、ストレングスコーチの資格まで取得し、現在社内コーチとして活躍する村﨑 佐和さんにお話を伺ってきました。

– Case Study –

目的   「強みや個性を理解し活かし合う*」を体現する社員の育成

*DeNAでマネージャーに期待する行動・姿勢の1つ

実施内容  ストレングスファインダーに関するセミナー開催

セミナーゴール
 ・ストレングスファインダー/「強み」とは何かを理解する
 ・自分のつよみの源泉を知り、つよみ発揮の方向性を見つける
 ・チーム内で心理的安全性を高めるための使い方Tipsを知る

セミナーアジェンダ
 ・ストレングスファインダーとは
 ・資質の解説&自分の資質を探る
 ・ストレングスファインダーの活用 ー自分の強みを活かす投資行動ー
 ・ストレングスファインダーの活用 ーチームで活用するー

講師  スパークルチーム 代表 楠麻衣香

実施時期 2023年2月

対象   全社員(希望者)

実施形態 オンライン

リモート環境下で全社員が集まる理由を正しく設計し、学びの共通体験を提供する

社員が夢中で働く”場”をつくる:「ラーニングカフェ」の誕生背景

―――まずは、DeNAの人材育成・開発の取り組みとして実施している「ラーニングカフェ」について教えてください。

坂本:ラーニングカフェは、「社員が夢中で働く環境づくり」をミッションに、社員が部署の垣根を越えた横のつながりを作り、そして学び合う場を作る、ということを目的に2022年度に実施した取り組みです。

全社員を対象に、様々なテーマを題材として社員向けオンラインセミナーという形で学びの場を提供しており、2024年現在もこの取り組みをベースに形を変えていきながら、自己成長や全社横断のつながりを促進する場づくりを継続しています。

ラーニングカフェでは、合計12回に渡って心理的安全性やチームビルディング、行動学などのセミナーを外部講師の方をお招きして開催し、平均して約140名が毎回参加しました。

全てオンライン開催のため、一方的なセミナーにならないよう講師の方にも協力いただきながら、チャット機能を用いたコンテンツを実施しました。もともとデジタル企業というのもあり、チャットコミュニケーションのハードルは社員にとっても高くはないので、どの回でも活発にチャットが飛び交い、インタラクティブな学びの場となっているのが特徴です。

ヒューマンリソース本部 エンゲージメントプラットフォーム部 坂本宇さん

―――そのような全社横断での学びの場をつくろうとなった背景は何ですか?

坂本:コロナ禍によって働き方がリモート中心に移行した中で、会社としてどうすればこれまでと同様に社員同士のコミュニケーションや業務の推進を円滑に、そして社員の成長促進をしていけるような環境をつくっていけるのか、という検討を開始したのが最初となります。

働く環境に対する従業員のエンゲージメントについてはこれまでも定期的にパルスサーベイや「リモートワーク含めた働き方についてのアンケート」などを通じて拾い上げてきたので、そこで出てきた意見やニーズを整理しながら、どんな場があればリモート環境でも社員が活き活きと働けるのか、そしてその環境をこれまで以上にアップデートすることが出来るのか、といった観点で検討を重ねていきました。

DeNAでは「人は仕事で成長する」という考えを大切にしています。そのため社員自身も自らチャレンジしたり学んだりすることに積極的な人が多く、アンケートでも「多様な人材」や「成長できる環境」というキーワードが共通の声として上がってきました。このような声はまさしくDeNAの人材価値でもあるので、それをさらに推し上げ、強化していくような場をづくり、社員にとって働く環境としてより豊かなものにしていくためにも、全社員で学び合えるような場として「ラーニングカフェ」を企画・実施しました。

―――「ラーニングカフェ」のコンテンツはどう設計していったのですか?

坂本:コンテンツも前述したアンケートや、「ラーニングカフェ」検討のために実施した個別アンケートから出てきたニーズをもとに、「こんな内容だったら参加してくれるだろう」という仮説をもって設計していきました。

個別アンケートは全社を対象に2回実施し、回答者は700名程いたのですが、一人ひとりの回答すべてに目を通し、定量的な数値だけでなく、定性的な声にもすべて向き合って、どんなニーズがあってそれに応えることで会社の成長にどう繋がっていくのか、そしてそれがDeNAが目指す姿にどうフィットしていくのか、という観点で分析し、整理していきました。

2回目のアンケートは、1回目の結果を速報値として共有しながら、他の社員の声も踏まえた上で回答を促すような仕組みで設計しました。蓋を開けた時により多くの人に参加してもらえるように、なるべく双方向性のある形でニーズを汲み上げてコンテンツを設計していくことにこだわりました。

―――定性的な声まですべて目を通すって、さらりとおっしゃっていますがとんでもなく大変なことですよね…。でもそのように社員の声を細かく聞いていったということですね。

坂本:はい、とにかく最初は、”場をつくる”ことが大事だと考えたんですよね。その”場”に、全社から人が集まってくるような引きのある仕掛けづくりを行うことで、社員が互いに成長しあえる環境を作っていくことができると考えました。

そのためコンテンツも、まずは社員からニーズが高かったテーマを中心に、講師としてその領域における専門家をお招きするなど、人事側の姿勢もしっかり見せていくような仕掛けで、より多くの社員が参加したくなるような構成にしました。

そしてそのような”全社から集まり学び合う場”として確立させた状態で、心理的安全性やチームビルディングといったソフトスキル面だけでなく、プロダクトマネジメントといった、より実務に即したハードスキル面のコンテンツも提供していきました。ニーズに対して粛々と応えるだけでなく、ソフト面、ハード面どちらも大事ですよという人材開発面でのメッセージを出していきながら、社員の成長にコミットできるような内容で設計しました。

集まる理由を正しく作って、そこで共通の体験を得ることで、その後も「こんなことしたよね」というコミュニケーションに繋がっていくと思うんです。リモート環境であってもそういう場を作っていくために、正しく設計するということにはすごくこだわりました。

「強みを活かす」に直結:ストレングスファインダーに着目した理由

―――そのような社員の成長に根ざした企画の中で、ストレングスファインダーセミナーを実施させていただいたのですが、ストレングスファインダーに着目した理由は何でしょうか?

坂本:DeNAでは、「強みや個性を理解し活かし合う」を大事にしており、マネージャーに期待する行動・姿勢の1つにもしています。ですが、具体的にそれをどう体現するのか、どう引き上げていくのか、僕の中でも解像度があまり高くなく、また社員に聞いてみても認識が千差万別で。

であれば、「強みを活かす」に直結するものとして、ビジネスに特化したストレングスファインダーをテーマにするのが適しているのではと考えました。

ソフトスキル面のコンテンツとして第7回目に実施したのですが、そこもいきなり初回から「強みについて考えよう」と社員に投げかけても上手く土台に乗れないのではと思い、前段コンテンツで社員の意識醸成を図った上で中盤に実施することにしました。

―――セミナーでは、ストレングスファインダーを活用した強みの発見や相互理解、チーム活用のポイントなどについてお伝えさせていただきました。参加者のその後の反応としてはいかがでしたか?

坂本:総じて満足度が高く、アンケートでも『資質の使い方が分からなかったけどそこがよく分かった』と言う声や、『強みというものに対する正しい理解を得られた』という声が多くありました。

また、ストレングスファインダーを受けたことがない参加者もいたのですが、これを機に受けてみたという方もいました。そういった「受けたことがない」という人に対しても充実したコンテンツになるように、というのは当初から考えていて、スパークルチームさんとも事前に相談してコンテンツを作っていったので、そのような反応はすごく嬉しかったですね。

セミナー中も、チャットで気軽にコミュニケーションできるような投げかけや雰囲気を作ってくださったので、会話の数も多く、より参加型のコンテンツになったなと思います。

参加者の行動変容によって取り組みに価値が相乗されていく

セミナーきっかけで社内コーチが誕生!

―――そのセミナーの参加者の一人が、村﨑さんですよね。村﨑さんはこのセミナー後にストレングスコーチの資格を取るまでに至ったと聞きました。

村﨑:はい、もともとストレングスファインダーのことは知っていて、受検をしてからすごく興味を持ち、周囲の人にも受検を勧めたりしていました。ただ、自分や周りの人の結果を見ては「ふむふむ、そうか」と思うだけに終始していて、もっと深い知見が欲しいなと思っていました。そんな時にラーニングカフェでストレングスファインダーについて開催すると知って、もちろん飛びつきましたね。

するとやはり自分が知っていた以上の深い部分まで解説してくれていたのでとても面白く、チャットでも積極的に「私の内省ってどんな資質ですか!?」とここぞとばかりに質問したり、他の人のチャットを見ながら「ほうほう」と楽しく見ていました。

これまでも自分で調べたりはしていましたが、自分が持っていない資質のことだったり、強み活用のコツやチーム活用のような具体的なところまではあまり分かっていなかったので、さらなる興味を持つきっかけになりました。

すると、徐々に周りの人の資質も知りたくなってきて‥‥その直後くらいに、上司に「こんなおもしろいセミナーがあったんですけど、デザイン統括部みんなでやりませんか?」と提案しました。本部の人数は80人くらいいるんですけど(笑)

―――すごい規模のストレングスファインダー受検を提案しましたね!

村﨑:冷静に考えると、ほんとすごい数ですよね。でもみんなで強みを理解し合えたら、すごくいい組織になると思ったんですよね。なので上司に対しても「マネジメントでも活かせるんですよね~」と刷り込んでいきました(笑)

すると上司も快諾してくれて、本部のみんなもほぼ全員が受検してくれました。その結果もみんなが見れるフォルダに上司の指示のもと格納してもらって。

そうこうしていると上司から、「せっかくみんなの時間と予算使ったんだから何かやってよ、村﨑さん」と言われ、メンバー向けにストレングスファインダーの勉強会を実施しました。私としては自分の学習欲個別化がみんなのことを知りたがっていただけなんですけど、まぁそりゃそうだなと思い(笑)、自分で調べながら勉強会を実施しました。

でもその勉強会の内容に納得がいかなかったんですよね。本当に正しいことを伝えられているのか、もし間違っていなかったとしても、もっと伝えるべきことはあるんじゃないかなって。そのクオリティを上げるために、ストレングスファインダーのコーチ資格を取りました。

ソリューション本部 デザイン統括部 エクスペリエンス戦略室 村﨑佐和さん

―――ストレングスファインダーのことももっと知りたい、学びたい、が根源となってコーチ資格にチャレンジしたということですね。

村﨑:あとは純粋にメンバーのことを知りたいという気持ちもありました。私はDeNAを一度退社して5年後にまた戻ってきたいわゆる「出戻り組」なのですが、5年も空いていると職場も順当な入れ替えがあるわけで、知らない人ばかりになっていたんですよね。

コロナ禍前は同じフロアにいるだけでなんとなく知れていたようなことも、リモート環境だと関わりのないメンバーのことは全く知らないままで。

だからこそデザイン統括部でストレングスファインダーを受検してもらったのですが、手元にあるメンバーの資質を見ていると、「この資質を理由に私はこの人に対してレッテルを貼っているのではないだろうか」とか「そもそもレッテルって何なんだ…」と悶々と内省がうずいてきてしまい、潔くコーチの資格を取ることにしました。

資質を深く理解することで、アドバイスの仕方の違いが分かるようになった

―――村﨑さんは、学習欲個別化内省、すべての強みをフル活用して行動したという感じですね。コーチの資格取得後は、どういう活動をしているのですか?

村﨑:部内の希望者に対して個人セッションをしたり、私の活動に興味を持ってくれた別グループのマネージャーからの依頼でチームセッションなどしています。

先日は、デザイン統括部内のあるチームのチームセッションを実施しました。チーム内の結束を高めるために、お互いの強みをどう活かし合うか、みんなで資質をベースに議論してもらいながら紐解いていきました。

ちょうどその時、チームのマネージャーが育休に入る直前でした。上司がいなくなることに対して不安を感じていたメンバーも、困ったときには「こうやって」「この人に」相談してみればいいんだ、というのが分かったと言っていて、コミュニケーションの大切さを改めて認識してもらえた機会になったなと思います。

あとは個別セッションを通じて、その人がつまづきやすいことやそれを解決する糸口を見つけやすくなったかなと思います。「回復志向だから問題が見えないとエンジンが掛からないのね」とか、「逆にこのメンバーは仕事を自由に投げられたほうがエンジンかかるのね」とか、人によってアドバイスの仕方の違いが分かるようになりましたね。

―――最初はラーニングカフェの参加者のうちの一人だった村﨑さんが、ここまで行動されているというのは、坂本さんは企画側としていかがですか?

坂本:すごく嬉しいことですよね。僕も村﨑さんがストレングスファインダーの部内勉強会をやっているっていうのを後から知ったのですが、そうやって形になったことは人事の冥利に尽きるというか…(笑)

勉強会の動画も見させてもらったのですが、そこで僕も新たな学びを得ましたし、こうやってラーニングカフェをきっかけに社内でつながっていく様子も、本来の目的だった”学び合う場をつくる”ということがまさに形にされていて、参加してくれた社員の皆さんによってこの取り組みの価値がプラスされていくんだなと改めて感じました。

「社員が夢中で働ける環境づくり」を通じて企業価値を高めていきたい

―――村﨑さんはコーチの資格を取得され、今後の展望はありますか?

村﨑:本業のデザイン業務の傍ら、社内コーチとして活躍していきたいなと思っています。

先ほどお伝えしたチームセッションはまだ自分のチームでは実施できていないので、そこはぜひやっていきつつも、何なら全社でやっていきたいなとも思っています。

坂本:ぜひお願いします(笑)

村﨑:そうなると次は数100名規模の人に受検してもらう必要があるんですけどね(笑)

あと、デザイナーはデザイナーなりの悩みがあるので、そういう時にストレングスファインダーを使って、それぞれの悩みのシューティングの知見をどんどん溜めていきたいなと思っています。そうすることで若手の成長にもなりますし、マネージャー層の手助けにもなれるかなと考えています。さらには他の会社のデザイナーさんにも展開していきたいですね。

ストレングスファインダーを深く学んだことで相手に応じたアドバイスの仕方の違いが分かってきたので、「ささやき女将」のようにみんなをマッシュアップさせられるような存在になれたらいいなと思っています。

―――「ささやき女将」!すごくいいですね。村﨑さんの女将姿、すぐにイメージつきました(笑)坂本さんは今後の展望としていかがですか?

坂本:引き続き「社員が夢中で働く環境づくり」を進めていきたいと思っています。僕自身も新卒からDeNAに入社して、同期同士での横のつながりによる恩恵や、やりがいを強く体感してきているので、それを中途入社の人も含めて全社員にDeNAで働く価値として感じてもらえるような環境づくりをしていきたいです。

その中でストレングスファインダーも、自分の強みを自覚して能力を発揮することは「夢中」に繋がる大きな要素でもあるので、引き続き着目していきたいなと思っています。村﨑さんのように、僕たちが仕掛けたコンテンツをきっかけに自分らしさを発見して夢中になってくれるような人を増やしていきたいですね。

―――坂本さん、村﨑さん、素敵なお話をありがとうございました!

左から:スパークルチーム 伊名岡、DeNA 村﨑さま、DeNA 坂本さま、スパークルチーム 楠

\ 無料ダウンロード! /

ストレングスファインダーを活用したワークショップ事例をまとめた資料をダウンロードいただけます!