
強みを活かした素敵なチーム・職場を目指し、スパークルチームとのコラボレーションによって様々な取り組みを推進する企業をご紹介する本コーナー。
第11回目となる今回は、株式会社ダルトンの経営管理本部 人事部のお二人です。
1939年の創業以来、「創造の、共創へ。」を掲げ、研究開発とモノづくりに挑むお客様を支えてきた同社。施設機器・粉体機械・クリーン機器・半導体装置という四つの事業を柱に、近年も着実な成長を続けています。さらなる成長に向け、同社が現在力を注いでいるのが「人への投資」です。
そのなかで重要なテーマの一つとなったのが、管理職のマネジメント力。1on1をはじめとする対話の仕組みづくりを進める同社が、なぜストレングスファインダーを活用したチームマネジメントプログラムに着目したのか。そして実施を通じて、どのような気づきや変化が生まれたのか。
人事部のお二人に、お話を伺いました。

チームマネジメント力向上プログラム(2日間) ※プログラム詳細はこちら
・ 管理職が部下の強みを理解し、育成につなげるための具体的な関わり方を身につける
・ ストレングスファインダーを共通言語として、管理職とメンバーの対話の土台をつくる
ストレングスファインダーを活用した管理職向けチームマネジメントワークショップの企画・実施
■ ワークショップのゴール
・ 自分の才能を知り、マネジャーとしての強みの活かし方と、課題を補う工夫を理解する
・ 他者との「違い」を本質的に体感し、異なる価値観への関わり方を考える
・ メンバーの強みを引き出す関わり方・コミュニケーションを、ステップをもとに考える
■ アジェンダ
Day1:ストレングスファインダー基礎編(資質理解&自己理解/投資行動「強み開発レシピ」)
Day2:メンバーの強みを引き出す(部下のストレングスを検討する/実践演習
■ 実施時期 2026年4月~7月
■ 対象 管理職 約120名(ラインマネジャー)
■ 実施形態 対面(オフライン)

【導入背景】売上好調のいまだからこそ、人と組織に投資する
―――まずはダルトンについてお聞かせください。
中澤さん:
ダルトンは1939年の創業以来、研究開発とモノづくりの現場を支えてきた会社です。事業は大きく四つの柱があり、民間企業や大学の研究施設・教育施設をつくる施設機器事業、粉粒体を加工する機械を手がける粉体機械事業、有害な物質を封じ込めるなど安全な作業環境をつくるクリーン機器事業、そして半導体の製造プロセスのうち主に「ウェットプロセス」で利用される装置を製造する半導体装置事業です。
事業はBtoBが中心で、お客様も医薬や化学の分野が多いのですが、実は抹茶の粉や出汁の素、猫砂、肥料など、私たちの機械でつくられた製品が身近なところにもたくさん使われています。お茶漬けの素に入っている緑の粉もその一例です。一般にはあまり知られていませんが、皆さんの暮らしのすぐ近くで、ダルトンの技術が役立っています。
そして、それを支えてきたのが、会社として大切にしている価値観です。
会社として掲げる「創造の、共創へ。」には、お客様とともに新しい価値を生み出していくという強い思いが込められています。
医薬品や素材、お薬、化粧品、食品などの領域で、世の中にまだないものを生み出そうとするお客様の挑戦を、私たちの技術で支えていく。その未来をお客様とともに創っていけることが、ダルトンで働く大きな魅力だと考えています。
―――長い歴史のなかで築かれた事業基盤がある会社が、いま「人への投資」に本格的に舵を切られています。その背景には、どのような課題意識があったのでしょうか。
中澤さん:
長年にわたってお客様との信頼関係を築き、「こういうものをつくってほしい」とご相談いただけることは、ダルトンの大きな財産です。
こうした強固な事業基盤を次の成長につなげていくためには、一人ひとりが持つ力をさらに引き出し、組織の力へと結びつけていくことが重要だと考えました。言い換えれば、「会社の財産である人」にはまだまだ大きな成長の可能性があり、社員一人ひとりが強みを発揮し、意欲を持って上を目指せる環境をつくることが、会社の持続的な成長につながると考えています。
そこで、これまで各部門や職場で培われてきた育成の取り組みを土台に、会社全体として学びを支える仕組みを整えてきました。
手挙げ式研修の導入や昇格制度の見直しなど、一つひとつ新しい仕組みを加えながら、教育体制の充実を図っています。
―――そのなかで今回、管理職向けチームマネジメント研修をご支援させていただきましたが、「管理職」に焦点を当てられたのはなぜだったのですか。
中澤さん:
ダルトンにおいて、管理職の関わり方が組織全体に与える影響は非常に大きいと考えています。
こうした考えのもと、管理職への昇格にあたっては外部アセスメントを本格的に取り入れ、複数の観点から適性や能力を確認するなど、会社が求める管理職像に沿って昇格基準を見直してきました。
現在は、新しい基準で昇格した管理職と、これまで長く組織を支えてきた経験豊富な管理職が、ともに力を発揮している時期です。求める管理職像をあらためて共有し、それぞれの経験や強みを活かしながら、組織全体のマネジメント力を高めていくことが大切だと考えています。
実際に、管理職からも「会社から求められる役割が以前とは変化している」「日々しっかりとメンバーと向き合うことが大切だと感じました」という率直な声がありました。変革の過渡期だからこそ、目指す方向を丁寧に共有し、学ぶ機会を全体に広げていく必要があると感じています。
―――そのようななかで、現場の管理職とメンバーの関わり方には、どのような変化が必要だと感じていましたか。
中澤さん:
ダルトンでは、これまでも職場ごとに上司とメンバーのコミュニケーションが行われてきましたが、1on1のような継続的な対話の仕組みを全社共通で運用する段階には至っていませんでした。そこで、まずは1on1の目的や進め方を共有するところから始めました。
たとえば評価のフィードバックでも、管理職がしっかり伝えたつもりでも、意図が十分に伝わらないことがあります。評価を結果の通知で終わらせず、「ここを一緒に伸ばしていこう」という育成の対話につなげることが大切です。
管理職がメンバーの強みや悩みに目を向け、一人ひとりの成長を支える。そのような関わりを組織の文化として根づかせることが、より強い組織につながると考えました。

【プログラム選定の理由】弱みを底上げするのではなく、強みにフォーカスする
―――今回、ストレングスファインダー活用に着目された理由をお聞かせください。
中澤さん:
私はグループ会社であるイトーキの出身ですが、イトーキではすでにストレングスファインダーを活用したプログラムが導入され、一定の成果も生まれていました。実績のある知見を、ダルトンの組織や課題に合わせて活用できると考えたことが、導入理由の一つです。
もう一つは、強みにフォーカスするという考え方そのものへの共感です。
私たちはつい、課題や不得意な部分の改善に目を向けがちですが、強みに目を向けることで、一人ひとりの可能性をポジティブに捉え、その人らしい成長を後押しすることができます。それが、エンゲージメントや生産性、仕事のやりがいを高めることにもつながります。
私自身もその価値を実感していたため、ぜひ導入したいと考え、提案しました。
―――中澤さんご自身も、昨年ストレングスコーチの資格を取得されたのですよね。
中澤さん:
はい。もともと強みにフォーカスする考え方に共感していましたし、全社で活用していくのであれば、人事として私自身が専門的な知識を持つことで、より継続的な支援ができると考えて取得しました。
人事は社員と面談する機会が多いため、資格取得後は、その対話にも強みの視点を取り入れています。
以前は励ましや業務の進捗確認が中心になることもありましたが、現在は、まず本人の強みを確認し、「その強みを活かして、今うまくいっていないことをどう変えていけるか」を一緒に考えるようにしています。
共通言語が一つ加わることで、対話の深さや選択肢が広がったと感じています。
―――巽さんはご自身もストレングスファインダーを受検されていますが、結果を見てどうでしたか。
巽さん:
自分自身の結果には納得感がありましたが、それ以上に、社員一人ひとりの特性や考え方を理解するためのツールとして、ストレングスファインダーに大きな可能性を感じました。
業務上の関わりだけでは見えにくい価値観や強みを知ることで、相手への理解が深まり、より適切な関わり方を考えるきっかけになります。
イトーキにいた頃、経営層の強みを社内コラムで紹介する取り組みがあり、それを読んで「この方にはこういう一面があるのかもしれない」「次はこう関わってみよう」と考えるきっかけになったことを覚えています。
自分自身の理解にとどまらず、周囲の人をより深く理解し、互いの違いを活かせる点に、特に価値を感じています。

【実施しての気づき】育成への思いを、具体的な関わり方につなげる
―――今回の取り組みに向けて、管理職の皆さんが一斉にストレングスファインダーを受検されたかと思いますが、全体を俯瞰されて何か発見はありましたか。
巽さん:
「公平性」や「回復志向」を上位に持つ方が多いことが印象的でした。「ダルトンの人は真面目で、任されたことに誠実に取り組む」と社外の方から言っていただくことがありますが、そうした社風が資質にも表れているように感じました。
―――公平性や回復志向は、明確なルールや手順があること、そして解決すべき課題が目の前にあることで力を発揮しやすい資質です。進め方や型が示されていれば、それを着実に形にしていけるのですね。
一方で、「どうありたいか」といった抽象度の高い問いについては、具体的な手がかりがあることで、より考えやすくなるのかもしれません。
巽さん:
そうですね。この発見は、今後の研修設計にも活かせると感じました。ダルトンの皆さんが持つ良さを活かした学びの形を考えるうえでも、実施してよかったと思っています。
―――研修後、現場で変化を感じた場面はありましたか。
巽さん:
社内で実際に資質について話している場面を見かけたり、予定表に「ストレングス1on1」と入っていたりするなど、学びを現場で活用する動きが生まれています。
また、面談を重ねるなかで、「以前より質問ができるようになった」という管理職の声も多く聞かれました。相手の話を引き出すための具体的な方法を学んだことで、部下との関わり方にも変化が表れているのではないかと思います。
並行して実施した1on1研修のアンケートでは、「今後1年で身につけたいスキル」として「部下育成」や「フィードバック」が多く挙がりました。一連の研修を通じて、メンバーの成長に向き合うことへの意識がさらに高まったことを、とてもうれしく感じています。
―――研修を通じて、参加された皆さんの声から分かったことはありますか。
巽さん:
管理職の皆さんには、もともと部下を育てたいという思いがありました。その思いを具体的な行動につなげるための方法や手がかりを求めていたのだと、研修を通じてあらためて分かりました。
また、これまでは部門を越えて管理職同士がマネジメントについて話す機会が限られていました。
今回の研修では、参加者同士が「同じようなことで悩んでいたのですね」と語り合う場面もありました。
課題や工夫を共有し、互いから学べたこと自体が、大きな価値だったのではないかと思います。
中澤さん:
皆さん、部下の育成が管理職として大切な役割であることを、しっかり認識されています。
今回のプログラムによって、その思いを実践につなげるための引き出しが一つ増えたのではないかと思います。それは本当に良かったと感じています。
―――これから、現場での上司と部下の対話に使われる言葉も変わっていきそうですね。
中澤さん:
そうですね。今年7月に研修を終え、今は管理職全員が「資質(才能)」という共通言語と、対話に活かせる新しいツールを手にした段階です。これを日々の会話のなかでどう活かしていくかが、まさにこれからだと思っています。
今後は、メンバーの強みを意識した1on1を継続して実践してもらうとともに、評価者研修も導入する予定です。1対1のフィードバックなど、さまざまな場面で今回の学びを活かしてもらいたいと考えています。
【今後の展望】管理職を起点に、自律的に成長する組織へ
―――人事部として、今後取り組んでいきたいテーマは何ですか。
巽さん:
テーマは三つです。一つ目が、マネジメント力の強化と次世代経営層の育成。二つ目が、専門性を深め、技術を磨くための継続的な成長支援。三つ目が、挑戦する人を大切にし、スキルを磨ける環境づくりです。
マネジメント力の強化と、挑戦する人を支える環境づくりについては、少しずつ形になってきました。次にさらに充実させたいのが、専門性の領域です。現場からも専門的な学びへの支援を求める声が上がっています。現在も資格取得支援に向けた勉強会などを行っていますが、ほかにもどのような支援ができるかを考えていきたいですね。
また、挑戦する人を支えるという点では、より多くの社員が手挙げ式の研修に自ら参加できる機会をつくっていきたいと思っています。
「前回の研修が良かったと聞いて手を挙げました」という声も届いています。そうした前向きな輪が広がり、互いに学び、高め合うことがダルトンらしい文化として根づいていったら、うれしいですね。
―――中澤さんは、こうした取り組みの先にどのような組織を描いていらっしゃいますか。
中澤さん:
組織が変わる大きな起点の一つは、やはり管理職だと考えています。課長や部長や統括部長の関わり方が変わることで、職場の対話や行動が変わり、そこで働く一人ひとりにも良い影響が広がっていきます。
現在、ダルトンの業績は好調ですが、不確実性の高い社会のなかで、これからも継続的に成長していくために欠かせないのは「人」です。私自身、厳しい時代も経験してきたからこそ、どのような環境下においても、一人ひとりが強みを発揮し、力を合わせて前へ進める組織でありたいと思っています。
経営が示す方向性を起点としながら、各管理職や各個人が自ら考え、主体的に行動し、成果につなげていく。そうした自律的な動きが重なることで、会社全体がさらに良い方向へ進んでいけるはずです。その文化や考え方を定着させるために、今の取り組みがあります。管理職一人ひとりがその意義を自分自身の言葉で捉え、行動につなげていただきたいと考えています。
管理職からメンバーに「研修に行っておいで」と声がかかったり、「自分もここを伸ばしたいから参加しよう」と言えたりする。学びや挑戦を互いに後押しできる文化へと、少しずつ変えていきたいですね。簡単なことではありませんが、皆さんと一緒に目指していきたいと思います。
―――まさに管理職一人ひとりの変化が、組織の変化につながっていくということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
人が起点となって、組織そのものが強くなっていく。
お二人のお話からは、これまで築いてきたダルトンの強みを大切にしながら、次の成長へ向けて人と組織を進化させようとする思いが伝わってきました。
現場に足を運び、社員一人ひとりの顔が見える距離感を大切にされているお二人。共通言語を手にした管理職とメンバーの対話が、これからどのような変化を生み出していくのか。
ダルトンの皆さまのさらなる挑戦を、心から応援しています。

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